昨今では、ほとんどのマンションの外壁にはタイルが貼ってあります。これは鉄筋コンクリートで造られている建物を保護する役割を担っておりますが、デザイン的な側面もございます。大規模修繕工事の際に課題になりますのは補修用タイルの色柄です。大規模修繕工事でもタイルをすべて張り替えるのではなく、不良部分のみを張り替えますので現状と同じタイルでなければ補修した部分が目立ってしまいます。分譲マンションのタイルは、そのマンション専用の特注で作られている場合が多いいため市場には出回っておりません。そこでまず確認して頂きたいのが建物のタイルの在庫です。新築時に余ったタイルが保管されている場合がありますので、大規模修繕工事の際にこれを使用することが可能です。
しかし在庫だけで大規模修繕で使用するタイルが賄えることは稀な事例です。足りない分は市場で出回っている類似品のタイルを使用するか既存タイルに特注で色合わせしたタイルを使用するかの2択になります。しかし特注でタイルを製作する際にも注意が必要です。大規模修繕を実施するスパン(年月)が長いとタイルに付着した汚れが洗浄作業を実施しても落ちない場合もあります。さらに建物の東西南北で汚れの度合いが異なり場所によっては特注したタイルの色が合わない部分も発生する場合があります。
当然のように修繕するタイルは同じ物を使用すると思われますが、タイル材料ひとつ取っても留意して検討しなければならないことがございます。